【 第二回派遣 】2016.5.15~17 (石田・佐藤)

・実施した内容
被災家屋のブルーシート張り、カンパ金・支援物資の寄付、避難所等の慰問コンサート、被災施設の看板ペイント、被災地の商品買い付け等

・主な活動経過
前回に引き続き、熊本県阿蘇郡西原村のNPO法人にしはらたんぽぽハウスを拠点に、様々な手伝いをさせていただきました。また今回は、阿蘇郡南阿蘇村で被災者のための「よろず相談室」を開設された神戸の高砂春美さんを訪ね、南阿蘇村でも慰問演奏などをさせていただきました。

前回は炊き出しの手伝いが中心でしたが、今回は家屋の復旧作業の手伝いが中心になりました。
特に屋根瓦の落ちた被災家屋の屋根にブルーシートを張る作業はニーズが多く、梅雨時期に入る前に張ってほしいという要望に応えて3棟の作業を手伝いました。



また、家屋の中から家財道具を運び出す作業も2棟で行いました。寄付を託されて現地に届けたり、販路を失った被災地の商品を買い付けるといった支援も継続しています。現地には行けないけど力になりたいという神戸の方々との架け橋になり、私たちだけではできない支援につないでいけたらと考えております。





・現地で気づいた事
災害ボランティアセンターが立ち上がり、ボランティアが家屋の片付けや瓦礫撤去の作業に従事するようになりましたが、一般ボランティアは応急危険度判定で赤紙(危険)の貼られた家屋には立ち入ることができません。また、屋根に上がってブルーシートを張る作業もできません。しかし、こうした作業ほどそこに住み続けることを望む被災者にとっては緊急性の高い切実なニーズであり、それがルールによってできない状況というのは支援とニーズの間の大きな隙間となっているように感じました。

また、歌などでの心のケアの支援についても、快く受け入れてくれる避難所もあれば、そういう申し出は受け入れられないと断られる避難所もあり、対応のばらつきを感じました。避難者さん自身がそういう支援を拒んでいるならもちろん押し付けるべきではありません。ですが、避難所の入口で外部から応援に来ている運営スタッフによって一律に断られるという対応には疑問の声も多く聞かれました。「もしかしたらそれを望む避難者さんもいるかもしれませんが、私たちは運営の応援に交代制で来ているだけなので、個別の申し出に対応することはできないんです」とのことでした。そうした申し出はボランティアセンターにしてくださいというご教示に従い、ボランティアセンターに伺ったところ、歌などの支援についてはまだ受け入れ態勢にないですがニーズがあればおつなぎすので登録だけしてください、とのことで、その通りに登録しましたが、その後3か月経ちいまだ連絡はありません。避難所のプライバシーを守る、いたずらに外部の人間が出入りしないようにする、そうした配慮はもちろん重要です。ですが、高いパーティションに覆われ、誰がどんな思いで避難しているのか全く顔の見えない避難所というのは、違和感を禁じえませんでした。

・活動により達成された効果等
ブルーシート張り3棟、家財道具の運び出し2棟、慰問コンサート4ヶ所、被災施設の看板ペイント等、前回得られたつながりから新たな作業や支援に従事することができました。
また、たんぽぽハウスの支援ソングを作ってほしいというリクエストを受け、その場で作って披露することもできました。こちらからの押し付けではなく、自然な成り行き、人間関係の構築の中から、こうした声が上がることが何よりありがたいことだと感じます。震災から1ヶ月が経過し、休みなく一心不乱に避難生活や復旧作業を続けている地元の方々にも相当な疲れがたまっている頃です。音楽を皆で楽しみ、一時の休息を取ることが、心の切り替えに少しでも貢献できているのではと感じています。涙を流して喜ばれる方も多々見受けられました。