【 第五回派遣 】 2016.7.24~27 ( 西田 )

・実施した内容
炊き出しの手伝い、洋菓子の炊き出し、スーパーキッズオーケストラへの洋菓子提供等

・主な活動経過
最終の派遣期間に、パティシエの西田氏が単身で活動してきました。今回は支援物資としてたんぽぽハウスに大量に届けられた生の桃を、傷める前に調理して提供することが喫緊のニーズでったため、タルトやショートケーキ、コンポートにするなどで対応しました。また、避難所で知り合った元洋菓子店アルバイトの方にお菓子作りのノウハウを教えたり、ちょうど南阿蘇村に慰問演奏で訪れていた世界的指揮者の佐渡裕氏率いるスーパーキッズオーケストラにお菓子の差し入れをしたり、様々な交流をすることもできました。今回で活動は一旦終了となりますが、これまでに築くことのできた関係を大切に、今後も様々な支援や交流を続けていくことを計画しています。


・現地で気づいた事
支援物資は、いつどこから何がどれぐらい届くか、先が全く見えないものです。食材の場合、足りない時は炊き出しができず困りますし、届き過ぎると保存しきれずロスになります。物流の不安定になるごく初期であれば物資を直接届けるという支援も非常に重要ですが、ある程度落ち着いてきてからは、物資より人出とお金が重宝になります。実際、支援物資の貯蔵庫で行き場のない古着が堆積しているのや食品ロスを目の当たりにして、とてももったいないと感じました。また、物による支援は被災地で営業再開する店舗の経営を圧迫しかねません。そうした支援者と被災者のミスマッチを少しずつでも是正していき、善意が無駄にならない工夫をすることが求められると思いますそのためには、皆が被災現場の実情をもっと知る必要があります。実情に沿って想像力を働かせられるようになれば、被災者の自立支援という観点からもっと温かいサポートができると思うからです。それにはまず現地を訪れる人が一人でも増えることが重要です。一方で、被災者の声を重視するあまり、ニーズありきでしか動けないようになっては、本来のボランティア精神は発揮されないと思います。「歌の支援なんて思いつきもしなかったけど、すごく嬉しかった」「こんな美味しい洋菓子を避難所でいただけるなんて思わなかった」・・・そうした声からも、ボランティアが自発的に動き、提案するということもまた大切であると実感しています。災害ボランティアセンターが受け付けたニーズが被災者のニーズのすべてではないということは、今一度思い起こしてほしいところです。「ボランティアは行政の下請けなのか」という議論もありました。効率だけではなく、行政で対応しきれない小さな声を拾ったり、それを聞き出せるようじっくり寄り添うといった活動を、自発的に行ってこそのボランティア精神ではないでしょうか。


・活動により達成された効果等
これまでの活動を通じて、多くのつながりを得ることができました。今後、西原村の方を神戸に招いて、チャリティーブースを出していただいたり、お話を伺う機会も設けたいと計画中です。また、にしはらたんぽぽハウスの応援ソングの音源が完成したので、今後はCD化して授産品として販売していただいたり、映像制作会社の支援を受けてプロモーションビデオをネット上に公開し、継続的な支援を呼びかけるなど、音楽を通じた息の長い関わりも考えております。